約 3,845,235 件
https://w.atwiki.jp/chaosrowa/pages/16.html
テラカオスバトルロワイアル 一周目 一日目 二日目 三日目 四日目 エンディング テラカオスバトルロワイアル 二周目 カオスルート 一日目 テラカオスバトルロワイアル 二周目 ロウルート 一日目 一日目2 テラカオスバトルロワイアル 三週目 第一回放送までのSS テラカオスバトルロワイアル 四周目 一日目 二日目 セプテントリオン編 無人島編 テラカオスバトルロワイアル 五周目 一日目 二日目 エンディング テラカオスバトルロワイアル 六周目 一日目 一日目2 二日目 エンディング
https://w.atwiki.jp/kakiterowa4/pages/169.html
アナザールート・バトルロワイアル 書き手紹介 3267 :やってられない名無しさん:2013/02/17(日) 00 06 45 ID ???0 ・その他トキワ荘の書き手さん達(全員 1) 【渾名】結ばれし末を転がし覆す 【所属ロワ】アナザールート・バトルロワイアル 【トリップ】◆5Kdjgy1wTM 【投下数】18 【代表作】「彼の為のアナザーストーリー」「ほむらの世界事情」「爆ぜろ、リアル」 驚異的なスピードを誇る書き手、時には深夜に予約して同日中の夕方には投下するほどである。 ロワのタイトルにもなっている「アナザーストーリー」に重点を置いており、原作とは違った選択を取る、取らされるキャラクターたちが明確に描写されている。
https://w.atwiki.jp/terachaosrowa/pages/1879.html
ここは上海。 普段の活気が消え失せ、不気味に静まりかえったこの地を、二つの二頭身の人影が歩いていた。 「ふあ……。眠いです……。私、いつも10時には寝てるのに……。 殺し合いだか何だか知りませんけど、こんな夜遅くに始めるなんて非常識です! なんか気が付いたら長門さんとかいないしー!」 「静かにしなさい! 殺し合いに乗ってる人間がうろついてるかもしれないのに、そこら辺で寝るわけにもいかないでしょ! まずは安全な拠点を確保しないと!」 寝ぼけ眼の少女……あちゃくらさんの手を取りながら、もう一人の少女……あしゃくらさんは歩を進め続ける。 「まったく、外見は私に似てるのに、中身は全然駄目なんだから……」 「むぅ、聞き捨てなりませんね、その言葉。私だって昼間なら、あなたなんかよりずっと優秀なんですよ!」 「なんですって! 黙って聞いていればいい気になって! 取り消してください!」 歩きながら、口論を行う二人。結果として前方不注意となり、進行方向にいた人物にぶつかってしまう。 「あっ、すいませ……ひっ!」 素直に謝ろうとして、あしゃくらさんは凍り付く。彼女のぶつかった相手が、全身に返り血を浴びた仮面ライダーだったからだ。 その足下には、太った中年男が顔面を蒼白にして横たわっている。おそらくは、この仮面ライダーにやられたのだろう。 「なんだお前らは……。鬱陶しいんだよ!」 苛立った声で呟くと、ライダーは問答無用で剣を振り下ろす。奇跡的にその一撃を回避した二人は、一目散にライダーから逃げ出した。 だが、歩幅の狭い二人がどんなに頑張ってもさほど距離は稼げない。瞬く間に追いついたライダーは、再び剣を振るう。 だがその瞬間、あしゃくらたちの姿がライダーの前から消えた。 「何ッ!?」 思わず、驚愕の声をあげるライダー。そのまま振り下ろされた剣は、空を切りアスファルトに突き刺さる。 「舐めた真似しやがって……! イライラするぜ!」 感情のままにわめきながら、仮面ライダー王蛇は逃げた獲物を探すべく歩き出した。 「うん、あいつはもう行ったみたいだよ」 すぐ近くの路地裏。そこから顔を出したパイナップルヘアの少女は、王蛇が去ったのを確認すると足下の二人に呼びかけた。 「いやー、間一髪だったねえ。この引き寄せの杖とやらを持った私がたまたま通りかからなかったら、どうなってたか」 「私たちもあのおじさんのように、血の海に沈められていたでしょうね……」 少女の言葉に、顔を引きつらせながら答えるあちゃくらさん。あしゃくらさんは、その横でガタガタと震えている。 「そういえば、自己紹介がまだだったね。私は朝倉和美っていうんだ。君たちは?」 「私はあしゃくら。こっちはあちゃくらです」 「そっかー。よろしくね。ところで君たち、私と一緒に来ない? 私はこのバトルロワイアルを止める方法を調べてるんだけど、仲間は多い方がいいでしょう?」 「そうですね、よろしくお願いします」 「私も異存はありません。よろしくお願いします」 「うんうん、よろしく」 朝倉は二人と、順に握手を交わす。 「よし、それじゃあバトルロワイアル破壊のため、三人で頑張ろう!」 「その前に……眠いです……」 「あー、こんなところで寝ちゃ駄目だよー!」 三人の前途は、どうにも多難なようである。 【午前0時30分/中国・上海】 【浅倉威@仮面ライダー龍騎】 【状態】イライラ、仮面ライダー王蛇 【装備】王蛇のデッキ@仮面ライダー龍騎 【道具】支給品一式 【思考】 1:イライラするので皆殺し 2:逃げた連中を見つけて殺す 【あしゃくらさん@にょろーん ちゅるやさん】 【状態】健康 【装備】なし 【道具】支給品一式、不明支給品 【思考】 1:キョンくんのためにも、バトルロワイアルを止める 【あちゃくらりょうこ@涼宮ハルヒちゃんの憂鬱】 【状態】ものすごく眠い 【装備】なし 【道具】支給品一式、不明支給品 【思考】 0:寝たい 1:バトルロワイアルを止める 2:長門と合流を目指す 【朝倉和美@魔法先生ネギま!】 【状態】健康 【装備】なし 【道具】支給品一式、引き寄せの杖[2]@トルネコの大冒険 【思考】 1:バトルロワイアルを止める方法を見つけ出す 【アサクラ@機動戦士ガンダム 死亡】 死因:斬殺
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/4211.html
16人のバトルロワイアルー因縁の再会ー
https://w.atwiki.jp/suproy/pages/358.html
ファイナルバトルロワイアル(1) ユーゼスはこの計画を立案した時から、この状況を予想していた。 自分の前に立ち塞がる者がいるならば、その乗機はグランゾンかディス・アストラナガンのどちらかだと。 それを半ば承知でこの二機をバトルロワイアルの舞台に放り込んだのには、もちろん理由があった。 まずグランゾンのカバラシステム。 その中に組み込んだ特異点という名の因果の楔がこの舞台を作り上げるのには不可欠だった。 例えば二人のタイムダイバーを、イングラムとクォヴレーを同じ世界に同時に存在させる。 絶対に並び立たない同一人物に等しい者達を同時に存在させるなど、普通では絶対に不可能だ。 他にも、数多の世界でアカシックレコードに選ばれた魂の持ち主たちを集めた世界を維持するには、事象の因果律を可能な限り歪めなければならなかったのだ。 そのための特異点。 普通ではありえないような極小の可能性を故意に誘発するための因果の楔だ。 ほんの僅かな運命の歪みが別の因子を狂わせて、そしてそれがまた別の歪みを生む。 そんな偶然の連鎖が、もしかしたらありえないような数億、数兆分の一の可能性の、さらに数京分の一で起こる現象を発生させるかもしれない。 気が遠くなるような、奇跡に等しい『ありえない』可能性。 それを『偶然』に実現させるのが特異点なのだ。 そしてディス・アストラナガンの心臓。銃神ディスの火。 異次元から負の魂を取り込みエネルギーとし、反無限力とも呼べる力を行使する『番人』の僕だ。 その力の性質上、このバトルロワイアルのために呼び寄せた者達をその怨念に取り込み、殺し合いへと駆り立てるのも目的のひとつではあった。 さらにその力が行使されればされるほど、その力はダイダルゲートに吸収され、ゼストの養分へと変わる。 利用できることなら利用したかった。 何より番人たちとの決着に拘るならば、彼らが万全の準備をもって挑んでくることが望ましい。 ユーゼスはできうるならばイングラムがここまでたどり着くことを望んだのだが、もうそれは叶わない。 また、この世界に召喚した者達も考えなしに構成したわけではない。 グランゾンの特異点がうまく働き、予想通りに上質の魂が揃った。 この良質なサンプルたちならば充分アカシックレコードに至る力を見せてくれるはずだと確信した。 そしてユーゼス自身はその無限の力を利用し、神への階段を登る。 さて、ならば彼らが無限力を引き出すにはどうすればよいのか。 ――試練が必要だ。 ユーゼスはそう考えた。 以前の世界でイングラムに見出された者達が、地球圏の騒乱を乗り越えてバルマーを、ガンエデンを、終焉の運命を打ち砕くほどの力を身につけたように。 だからクォヴレーやラミアの記憶を操作した。 レビ・トーラーや木原マサキ、アルジャーノン、DG細胞エトセトラ、エトセトラ。 これらの要素を使って殺し合いを煽ったのも、試練によって彼らが覚醒し、その意思がアカシックレコードをこの世界に降臨させることが狙いだった。 多少の誤差はあったものの、計画はおおむね順調に進んでいった。 ダイダルゲートに取り込まれたはずの魂たちの反逆は全くの予想外だったが、それでも結果的にユーゼスは神の力を手に入れることができた。 そしてイングラムもクォヴレーもこのバトルロワイアルから脱落してもう存在しない。 目的は成就した。 そう、望みは叶った。 そのはずだった。 ◇ ◇ ◇ その声は黒く重く、まるでざらついた鉄塊のようだった。 「ユーゼス……これから貴様は死ぬわけだが、その前に答えろ」 対峙する白い超神ゼスト。 白銀の体はいまや、漆黒のラインが這うように覆いつくし、銀の部分は半分にも満たない。 そんなユーゼスを見下ろす、後光のような黄金の輪を背負った蒼き魔神。 ネオグランゾンを駆る木原マサキは、あふれ出す憎悪をその声に込めて問う。 「お前は人ならざるモノとなった。そして宇宙の調停者となる、と……そう言ったな」 二柱の神が対峙する。 ただそれだけのことで空気が震えている。 真っ白で空虚な神殿の残骸のような世界、ユートピアワールドはまもなく黙示録の舞台と化す。 神々の戦いを前に何もないはずの世界そのものが怯えているのか、それとも奮え猛っているのか。 「神となって具体的に何を成すつもりだったのか、何のためにこの茶番を仕組んだのか。 何のために、俺を、よみがえらせたのか――――殺す前に聞いておかなくてはな」 「……貴様のようなサンプルごときに話すことなど……何もない」 ユーゼスの声は暗い。 うっとおしかった。 木原マサキの他人を見下すその態度はもとより、今は誰かと言葉を交わすことすらしたくなかった。 「ふん……どうせ神なんぞになろうとする者は、人間に絶望しておきながら人間に見捨てられたくない脆弱者だろうが。 この世界は間違っている。正さねばならない。なのに誰も自分の意見を理解してくれない。 だから独りで、人を超える力で世界を変える、とな。 だがそれだけなら神である必要などどこにもない。悪魔と罵られようが関係ない。 神と名乗るのは――――お前は他人に自分の正しさを認めてもらいたいからだろう?」 「――――っ」 息を呑む。 誰かが必要だったということを、ユーゼス自身が永い間、気づかなかった心の内をあっさり見抜かれたような気がした。 「まあいい。お前が神ならば俺は冥府の王だ。全ての生者を冥府に誘う者だ。 ユーゼス。俺はお前を殺し、その後で数多の並行世界を、ありとあらゆる手段を使って滅ぼすぞ。 神ならば世界を守る存在であるべきだよな? 全力で止めてみろ、その自慢の神の力でな」 「それは……神を名乗る私に対するあてつけか。幼稚な挑発だな、木原マサキ……!」 「少し違う。俺は自棄になってるわけでもなければ、挑発の為に言ってるわけでもない。 お前に対する復讐のためならば、全ての世界が滅ぼうが知ったことではないと純粋に考えているだけだ。 だがこれは存外面白いことになりそうだ。俺の冥王計画は、所詮一つの世界の出来事にすぎん。 あらゆる世界を渡り歩けば……あるいはユーゼス、お前よりも面白い敵がいるかもしれん。クククククククク……」 それは狂気の笑いだった。 そう言い表すのが何よりふさわしい。 マサキを利用したユーゼスへの復讐。ただそれだけのために全てを滅ぼす。 正気の沙汰ではない。 だがこの男は本気だ。 元よりユーゼス自身がそう調整したのだから間違いなく確信できる。 理想のためにユーゼスは全ての他者を利用し、踏みにじる。 だが木原マサキはただ、自身の娯楽のためだけにそれをやってのけた。 そういう下種な輩だからこそバトルロワイアルの駒として、無限力に選ばれた魂を鍛え上げえる試練のための当て馬として、殺し合いに放り込んだのだ。 だがいかなる皮肉か、その当て馬ごときがここまで生き残り、造物主に牙を向くことになった。 そして愚かにもグランゾンの力を手に入れて増長したか。いや、ひょっとしたらすでにヴォルクルスに取り込まれたのかもしれない。 「なるほど……貴様がどうしてその力を手に入れたのかは知らん。だがそういうことなら自分の蒔いた種の始末はせねばなるまいな」 「やってみろよ神様。なにやら腑抜けていたようだが、そうでなくてはここまでお膳立てした意味が無いからな」 黒い高密度のフォトンを纏った翼を広げ、白銀と漆黒の超神が戦闘体制をとった。 もうすでに退路はないと解りきっていた。 だのに一瞬の気の迷いとはいえ、壊れて二度と戻らない過去を振り返ってしまった。 是非も無し。 血を吐きながら走り続ける悲しいマラソンであろうとも、前へ。 止まることは許されない。 そこで止まってしまえば今まで築いてきた屍の山、怨嗟の渦、無限の輪廻を生きた自身の生、その刻を共に生きたイングラムとの戦いすら裏切ることになる。 そして文字通りありとあらゆる全てを失くし、その失くしたものすべてに裁かれるだろう。 「ククククククク……この茶番もようやく終幕か」 「そうだ……最後に残った出来損ないの人形を処分し、私はついに本懐を遂げる。今さら誰にも止められはしない」 「俺を出来損ないと言うのかユーゼス…………いいぞ。これほどまでに誰かを殺したいと思ったことはかつてなかった!」 ざらついた鉄塊のような黒く重い声は熱を帯びて赤き溶岩となる。 その熱は怒りの熱。 冥府の王を乗せた魔神は、神のはばたきにも臆せずその力を振るう。 その背後の空間に発生したワームホールの数は十、二十、三十――――。 白い空間に開いた黒い銃口が超神に向けられている。 そこから放たれるであろう光弾の威力は一発一発がグランゾンのそれを軽く上回る。 無数のワームホール発生現象を計算するカバラプログラム。それを操る木原マサキの頭脳。 グランゾンの製作者エリック・ワンは、人知を超えた者がグランゾンを操れば一日で地球が滅ぶと言った。 木原マサキは人知を超えた怪物じみた特殊能力を持つわけではない。 ゼンガーやトウマのような人間の限界を超える研ぎ澄まされた技も持たない。 シュウやリュウセイのような特別な背景とそれに付随する宿命とも呼べる力もない。 だがその頭脳は紛れもなく人知を超えた天才と呼んで差し支えない力だ。 その力によってバトルロワイアルを生き抜き、ここまでの道程を切り開いてきた。 そして今もそれはシュウの魂とプログラムによるサポートがあるとはいえ数十の短期未来予測、ワームホールの空間座標コントロールを同時に行う離れ業を見せる。 数多の人間の魂を贄として生まれた神の力。 それに対するは人知を超えた人知。 ヒトは知恵の実を食したがゆえに神の楽園から追放された。 力が激突する。 世界は震え続ける。 ラグナロクが、黙示の刻が始まる。 「楽しみだ。実に楽しみだ。貴様を無限の絶望で押し潰して殺してやる瞬間が実に楽しみだ! 切り札は全て切られ、カードは揃った!賭け金は数多の並行世界の運命! これ以上に面白いゲームはあるまい!さあコールだ! ここから先は最初から最後まで――――クライマックスだ!!!!」 スタートの号砲は木原マサキの初撃だった。 戦艦の主砲に匹敵する光の渦が、十、二十、三十と連なりユーゼスを襲う。 それは光の雨などというレベルではなく光の濁流、いや津波か。 「む――――」 だがユーゼスは黒いフォトンを放出してそれを防ぐ。 亜光速戦闘にも対応できる超反応とフォトンの桁違いの出力は、防御に徹すればマサキに加えフォルカたちが同時に攻撃しても全て防ぎきれる。 それは先ほどマサキも思い知ったはずだ。 ならばこれだけではありえない。 予想通り、次弾が間髪いれず別方向から飛来する。 これも片手で防ぐ。 横、後方、斜め上空から微妙にタイミングをずらしてビームが来るがしかし、すべてフォトンを纏った腕を振るだけでかき消された。 「無駄だ、こざかしい」 このまま攻撃に移ろうとした矢先、数発のビームを束ねた一撃が出がかりの勢いを潰すように立ち塞がる。 「く――――」 反射的に前進を止めて、フォトンを込めた翼ではたくようにして薙ぎ払った。 防いだことは当然。だがこちらの攻撃を潰された。向こうもそれが狙いだろう。 ワームホールを同時同方向に数発分展開してビームを束ねるようにして攻撃。 やや威力が上がり、それによってユーゼスにとっても無視できぬ威力になる。 攻撃に移ろうとした矢先、動きを止めて防御せざるを得ない。 その一瞬のタイムロス。更なる連続攻撃を放つ時間をマサキに与えるには充分だった。 同じように束ねたビームをさらに五連。 真上、右下方、左真横、正面、右後方――――! 同時ではなく僅かずつタイミングをずらして放たれたそれぞれの砲撃、一撃ずつを否応なく防御するしかない。 だがそれがマサキに次の攻撃準備のための時間を与えることになる。 「グラビトロンカノン!!」 今度は重力弾のオールレンジ攻撃。 広範囲に攻撃するためのMAPWを一点に集中させてきた。 全身にフォトンを張り巡らせ、放出。 これでガードは完璧だ。 一瞬、動きを止める事はできるだろうが、局面を打開するには程遠い。 妙だ、とそこで気がついた。 そんなことはフォルカ達と一緒に戦ったことで解りきっているはず。 マサキには何か別の狙いがあるのではないか。 考える。 ユーゼスはマサキとは都合三度戦った。 ジュデッカで、アースクレイドルでヴァルシオンを駆って、そしてディス・アストラナガンを取り込む前のフォルカやクォヴレーたちを交えたの多対一の戦い。 ジュデッカの時はフォルカという前衛がいたこともあってか遠距離から仕掛けてきただけ。 アースクレイドルではジュデッカ戦である程度こちらの戦力を把握していたのか、最初から一撃離脱で逃げるつもりだったようだ。 三度目。これは圧勝だった。 だがマサキは接近戦を仕掛けてきたはずだ。今回のような遠距離射撃のような戦法はしなかった。 何故か。接近戦でなければダメージを与えても無駄だと分かっていたからだ。 クロスゲートパラダイムシステムによる因果の逆転で、ユーゼス自身に直接干渉する以外の現象はなかった事になる。 グランゾンの武器は重力を操作することで凄まじいパワーを発揮するが、それはこちらも重力に干渉することで相殺できる。 メイン武装の殆どを無力化されてしまうのだから、相性はグランゾンにとって最悪だ。 だがネオグランゾンなら単純なスピードと機体の耐久力、そしてパワーは飛躍的に増大している。 ユーゼスはマサキがそのスペックに頼って接近戦を仕掛けてくるものとばかり考えていた。 そうしない理由があるのか。 ならばそれはなんなのか。 先ほどの敗戦で怖気づいているのか。 考えられることではあるが、それは相手を甘く見すぎている。 そんな油断で敗れることなどあってはならない。笑い話にすらならない。 「そうか――」 気づいてみれば単純な話だ。 ユーゼスは今まで必要以上にガードに徹していた――と、木原マサキからすれば、そう思うのは当然。 自在に再生できるのだから、多少のダメージは無視して攻撃にその力を回せばいい。 だがユーゼスにしてみれば、この形態ではクロスゲートの再生能力は使えない。 取り込んだディス・レヴを使った再生は可能だが、大きなダメージを瞬時に修復できるほどではない。 だから攻撃をガードする割合は自然と高くなる。 当初の予定とは違った形で強引に神の顕現を達成することにより発生した、弱点ともいえる綻び。 それを隠すためにユーゼスは守りに徹し、マサキはその様子に疑問を持っているとすれば。 この戦闘開始からの一連の攻撃は、全てそれを探るためのものだ。 ならば、さらにこの次がある――そこまでユーゼスが思考をめぐらせた、その瞬間。 空間が音を立てて爆ぜ、突風が吹き荒れる。 それはネオグランゾンの背面バーニアの爆発が周囲の空間を強烈に叩いたことによるものだった。 いつの間にかその右手には青銀の輝きを持つ大剣、グランワームソードが握られ、風すら切り裂くような高速で一直線に突撃を敢行する。 「来るか!」 「おおおおおおおッ!!」 激突。 桁違いの加速を上乗せして、ネオグランゾンがすれ違いざまに胴を薙ぎ払う。 それをユーゼスはフォトンを纏った腕で受けきった。 だが前回と同じく、とはいかない。 あの時は重力フィールドを纏った刀身を指先でつまんで見せた。 しかし今回の一撃は上乗せされた加速が違う。機体そのもののパワーが違う。 そしてマサキも急所を狙う一撃、ではなく一撃離脱を目的とした斬撃を放ってきた。 そのスピード、そして威力と捉え難さはまさに桁違いだ。 激突の余波は凄まじい爆音となって白い世界に響き、魔神はそのままユーゼスの後方へと駆け抜ける。 その姿を追って超神が振り返る。 だがそこにはぽっかりと開いたワームホールだけがあった。 すでに敵はあの穴の向こう。 空間転移は完了。 ならばどこに行ったのか。 まずい。 完全に後手。 ワームホールに飛び込んだなら、どこかに現れるはず。 それによって発生する重力の異常を一刻も早く感知しなければ。 奴はそこに――――――――上だ!! ここまでの思考は刹那。 〇・一秒にも満たない瞬間を、時間が止まったような感覚でユーゼスは意識した。 頭上を見上げればそこには再び弾丸と化した魔神の刃がすでに迫っている。 かろうじてガードは間に合った。 再度、爆発音。 激突の衝撃はまるで空間そのものが爆薬と化し、それに火がついたかのよう。 そして初撃と同く、疾風のようにユーゼスの背後へと切り抜けるネオグランゾンと木原マサキ。 振り返る。だがもはや姿はなく、ただすでに別の亜空へと駆け抜けたトンネルの残骸が消えかけているだけ。 そしてそれは間髪いれず次の一撃が襲来することを意味する。 ワームホールによる空間転移によって、どこから来るのか予測はできず、360°全ての方角からの攻撃を警戒しなければならない。 しかもあちらは旋回やUターンによる減速の必要がない。 空間転移で方向を変えているだけで、機体そのものは常にパワー全開で直進しているにすぎないのだから。 攻撃の方向は読めず、千変万化。 そのスピードは風を越え、威力は強烈無比。 切り返す必要のない無限の連続攻撃は敵が倒れるまで、一切の慈悲なく、容赦なく炸裂し続ける。 右、正面、後方、下方、左、真上、正面、右――――!! その全てを、全神経を集中させる防御で受け止めながら、ユーゼスは更なる危機感を抱く。 攻撃の威力が徐々に上がっているのだ。 その理由はスピードだ。 大きく重い物質はそれ自体が巨大な力だが、速度も恐るべき力となる。 速度の二乗に比例して破壊力は文字通り加速度的に大きくなるのだ。 切り返す必要のない、ひたすらに駆け抜け続けるネオグランゾンのスピードが上がれば上がるほど。 止める方法は一つ。 このまま加速を続ける攻撃。 ならば防御をしくじる前に真っ向から受け止め、叩き潰す――――! 自分の神経の網を空間に広げるようなイメージで、ユーゼスは僅かな揺らぎも見逃さぬよう己の全てを研ぎ澄ました。 周りを囲む形のない空間がまるで固体になったように感じる。 さらに神経のイメージを拡大する。 ユーゼスの周囲を巨大な氷が覆っていくような感覚の中で、ピシリとその氷がひび割れる違和感を感じた。 つまりそこから奴は仕掛けてくる、その確信とともにイメージを開放。 イメージは消え去り、世界は元の形へ。 氷がひび割れた感覚は左後方、やや上。 全てが僅かなギリギリの時間の中で行われた。 違和感の方向にユーゼスが向き直るのと、そこに現れたワームホールからネオグランゾンが猛烈な勢いで飛び出すのは、ほぼ同時だった。 「とった!」 「――なッ!?」 グランワームソードの斬撃とユーゼスの左腕から放たれたフォトンがぶつかり合った。 幾度目か分からない空間の爆発する音。 勢いが止まった。 ユーゼスの眼前にはついに隙を見せた獲物が、無防備にその姿を晒している。 時間にしてわずか一瞬だったが、それで充分だった。 第一撃を放った左腕に続いて、あとは第二撃を放つだけだ。 黒い十字架を纏った右拳には、すでに黒い光が集い、爆発する瞬間を待ち構えていた。 炸裂すればそれは全てを打ち貫き破壊する、研ぎ澄まされた殺意の爆薬。 「――――――――消し飛べ!!」 ◇ ◇ ◇ 最初の攻撃から全ては狙い通りだった。 ワームスマッシャーの雨でユーゼスを受身に回らせておいて、そこから間断のない連続攻撃で奴の対応を見る。 やはり妙だった。 過去三戦のうち、三戦目をのぞく二戦はあのように丁寧に防御するような相手ではなかった。 その必要がなかったのだ。 圧倒的な再生能力に任せて多少のダメージなど物ともしない、ややもすれば大味な戦い方だった。 三戦目も、力を見せつけて己の優位を誇示しているように見せていたが、それを鑑みて考えれば奇妙だった。 フォルカ達も含めて、ユーゼスは全ての攻撃を受けきってみせたが、思い出してみるとその際に一撃一撃をがっちりと防いでいた。 自分なら、力を見せ付けるためなら、そのようにはしない。 防御すらせず受け止め、次の瞬間に再生し、全ての攻撃は無駄なのだと言い放ってやる。 そう――――再生能力が健在であるならば、だ。 確かにあの黒い光の力は厄介だ。 海を裂き、地を砕く威力だろうと受け止め、それがもし攻撃に転じればそのまま最強の一撃と化すだろう。 だが、もしそれを打ち破ることができれば。 そして奴が再生能力を失っているとしたら。 試す価値はある。 ならば実行だ。 まず動きを止めることには成功した。 ワームスマッシャー単発で封じることはできなかった。 が、アストラルエネルギーを上乗せして威力が上がった分、数発分を束ねた攻撃はユーゼスの気を防御へと向けることに成功した。 そしてここでまた確信したことがあった。 奴がその気になれば、わざわざ受け止めずとも無視して突っ込めば多少のダメージを受けることはあっても、それだけで致命傷にはならないはずだ。 致命傷でなければ再生能力で元通りにすればいい。 それをせず、わざわざしっかりと受け止めた。 つまり奴には再生能力はない。またはあっても使いたくない。 だから必要以上に防御に気を裂いている。 確信に近いものは得た。 次はあの防御を潜り抜けダメージを与えることだ。 確率は低いが、再生能力が健在で、だが奴が出し惜しみしているという可能性もまだ捨てきれない。 だがもしそうだとしたら、それは自分を、木原マサキを舐めているということだ。 奴の性格上、それはないとは言い切れぬ話だ。 ならばやるべきは一つ。 直ちにその思い上がりを跡形もなく打ち砕いてやらねばならない。 だが、どうやってあの防御をかいくぐるか。 並みのスピードでは容易く防がれる。 並みの破壊力でも、いとも簡単にはじかれる。 スピードと破壊力と併せても、工夫のない単発では易々と対応される。 望むべきは、ユーゼスの超反応をかいくぐり――、 無意識に全身に纏っている程度の黒光を突き破り――、 息つく暇もなく反撃すら許さず奴を追い詰める―ー、 スピードと破壊力と連続性を併せ持つ、そんな方法だ。 ――ならば、やってやる。 カバラプログラム起動。 短期未来予測、開始。 数秒ごとの未来を演算し、その間に攻撃可能な回数の分だけ、ワームホールの『入り口』と『出口』を形成する座標の位置を自動的に求めるプログラムを即興で作成。 ターゲットへの激突の瞬間に生じる反作用の衝撃を重力制御で緩和。 グランワームソードに空間断裂の力場を纏わせ、斬撃を行うモーションプログラムも入力。 およびターゲットがランダムに動いた場合、空間座標軸の誤差修正も即座に行うよう入力する。 敵がどのようにかわし、防ごうとその動きに対応し、次の攻撃へ即座に修正を行い、そして正確に連続攻撃を実行するように。 本来ならこのようなことをせずとも、ネオグランゾンの全開スピードとフルパワーを駆使すれば、あのユーゼス相手でも真っ向から切り結ぶことも可能なはずだ。 だがパイロットの能力はあくまで人間。 亜光速に至る戦闘スピードのレベルには、まともにやってついていけるはずもない。 だがそうでなくては、あの牙城は崩せない。 不可能を可能にしなくてはならない。 そして人間はその知恵でもって不可能と呼ばれた事柄を実現してきたのだ。 ならばかつて次元連結システムで補ったように、このカバラプログラムでそれをやってやるだけだ。 グラビトロンカノンによる足止めで稼いだ時間のうちに全ての作業は完了した。 プログラム入力完了。 数秒ごとの未来予測によるデータを読み込み、攻撃を行いながら次の数秒の攻撃に使用するデータを更新。 これによって理論上は無限の亜光速攻撃が可能になる。 圧倒的な高速演算を可能にする、まさに人知を超えた戦闘用端末とそれを使いこなす天才の頭脳、その二つを魔術的要素でスムーズに接続するシュウの魂。 全てが揃って初めて可能な、魔技とも呼べる離れ業だ。 『常に未来予測を行いながら、その予測によって計算した攻撃パターンを自動的に先行入力し続ける』 無限亜光速重力突撃――――コード『インフィニティG−MAX』起動 レディ ! ワームホールの漆黒の闇、白い世界が交互に入れ替わる。 だがマサキ自身はあまりの高速でそれを知覚できない。 攻撃を半自動で行っているのはネオグランゾンとカバラプログラム。 斬撃の際、緩和しきれない強烈な衝撃がマサキの身体に響く。 だがなにより負担が大きいのは、シュウの魂を介してプログラムと直結したマサキ自身の魂だった。 ズグン――と身体の奥底が揺さぶられ、ひび割れる感覚が襲い掛かった。 たとえようもなく奇妙でおぞましい悪寒を、血が滲み出るほど歯を食いしばって耐えた。 この程度がどうしたというのだ。 全身の血液はとっくに怒りで沸騰し、頭脳と心臓だけがそこに氷を突っ込んだように冷え切っている。 ユーゼスを倒す。そして己を証明する。この程度の苦痛は有象無象のクズどもを踏みにじるように噛み潰す。 やがて見えなかったはずの超高速の世界を、光と闇が交互に駆け抜けていくように見える光景で知覚した。 感覚が馴染んだか――そう思った。 超神が一瞬だけ視界に写り、そして消え、また僅かに写る。 高速で走行する自動車の中から外の風景を見るのに似ている。 ――突然、凄まじい衝撃。眼前にユーゼスを捕らえた光景のまま、マサキの視界は停止した。 ゼストが拳を振り上げた――――動かない。 その拳には黒く輝き、炸裂を待つ光を纏っていた――――動けない。 受ければ自分に確実な死を齎すそれが突き出される――――感覚だけがそれを認識している。 「――――――――消し飛べ!!」 死ぬ、と瞬間的に理解した。 そして、すぐ後。 ユーゼスのその言葉が憎悪を爆発させた。 認めんぞ。 俺は認めない。 動け。 知覚したのなら動いてみせろ。 脳髄に呪いの鉄杭を突き刺してでも動かしてみせろ。 奴は目の前だ。 俺がここまで来たのは、奴を極大の絶望とともに冥府へ誘うためだ。 動け。 動いてみせろ。 それでもこの俺の身体か! ここで負けたら俺は――――『存在する意味が無い』んだよッ!! 「動けええええええええええええええええええええ!!!!」 ◇ ◇ ◇ 「な……!!」 ゼストの、破壊の黒光を纏った右腕がネオグランゾンにむけて突き出されていた。 距離は至近。届かないということはありえない。 だがそれは爆発することなく、マサキがダメージを負うこともなかった。 いや、攻撃を放った右腕の先が、そのあるべき空間に存在していなかった。 ユーゼスが必殺の一撃を放った右腕の軌道上とマサキの間に突如としてワームホールが形成されたのだ。 そして全力を込めたユーゼスの右腕はその穴へ突き出す形になり、黒光の破壊力は亜空の彼方へと放出されたというわけだ。 誰の仕業か、そんなことは分かりきっている。 マサキが一瞬でカバラプログラムに働きかけ、盾代わりのワームホールを形成したということだ。 そしてそれは文字通り、溶けるように消える。 震え続ける白い世界。 後に残ったは魔神と超神。 ユーゼスの身体が攻撃を放った勢いのままに前方へと流れていた。 ゼストの左腕の一撃で弾かれたネオグランゾンとすれ違うように。 背中合わせだ。 まるで西部劇の決闘のようで、その決着は振り向きざまの一瞬と相場が決まっている。 百分の一秒か、あるいは千分の一だったか。 どちらが先に仕掛けたか。 そんなことはおそらく誰にも分からない。 それほどに同時。それほどに刹那。 独楽のように、そして回転軸から弾き出すように放たれた蒼銀の重力剣。 舞うように、だが次元すら切り裂くように黒翼が閃いた。 閃光と閃光が交差する。 この局面――僅かにマサキが勝った。 掠めただけで装甲を削る黒い翼をギリギリで掻い潜り、斜め下方、ゼストの右わき腹からその真上へと。 勢いよく肩口を駆け抜けた、その斬撃がついに届いた。 青い血の飛沫が飛ぶ。 その眼で見ても信じられぬと両者が思った。 ゼストの貌が苦痛と驚愕に満ちて、そして自らの傷口をその見開いた眼が凝視していた。 マサキの方も無我夢中で放った一撃だ。 このような結果は予測も期待もしていなかった。 だが、それはただ闇雲に放った一撃ではなかったのだ。 「がッ…………!はあっぁ……げ……ああッ……!」 脳髄の奥に熱した釘が叩き込まれた。 全身の血は毒に変わって痺れと吐き気をもたらす。 心臓は氷をぶち込まれて、臓腑の震えが止まらない。 それが今の一撃のために、木原マサキの支払った代償だった。 マサキ自身に魔術の素養はない。 ゆえにカバラプログラムとはシュウの魂のエネルギーを媒介にしてコネクトしている。 これにより邪神の契約者でもないマサキがネオグランゾンの力を行使できるのだ。 だがそれでは間に合わないので、マサキ自身の瞬間的な思念が直接プログラムに命令を下し、ワームホールを一瞬で形成した。 そしてそのまま剣に重力フィールドを纏わせ、機体の全パワーを叩き込んで最速の斬撃を繰り出した。 勿論それだけですむはずもなく、今のマサキの全身を襲っている苦痛は、その力の代償だった。 しかし今のはマサキの完全な意志がもたらした結果ではない。 自身はただ無我夢中だっただけに過ぎない。 これは――――シュウの余計な介入か。 「ふん……くそッ……!気に入らんが……!いいさ、奴を倒せるのならこの際なんだろうとな……ッ!?」 息を荒げ、悪態をつきながらも、ようやく顔を上げたマサキの表情が凍りつく。 その視線の先にはゼストがいた。 動かず、ただ青い血が流れ出る傷口を見つめていた。 マサキが戦慄したのはその眼だった。 その視線を向けられただけで殺されると、そう思えた。 「…………そうだ……それでいい」 マサキは知らない。 ユーゼスの絶望。 夢に裏切られた絶望。 現実に裏切られた絶望。 運命にすら裏切られた絶望。 その果てに繋がれた永遠の輪廻の牢獄。 そこから抜け出るために全てを捨てた。 その全てを捨ててまで追い続けたもののために、結局は新たに得られたはずのものすら切り捨ててきたと思い知らされた。 その眼の中には底なしの虚無と絶望があった。 「例え運命が巨大な絶望を運んでこようとも――」 ユーゼスの重い声が響く。 まるで世界の全てが固唾を呑んで聞き入っているかのように、その声だけがやけに響く。 「例えどんなに強大な敵が立ち塞がることがあろうとも――」 胸の傷が塞がっていく。 それに比例してゼストのボディの白銀の部分が黒いラインに徐々に覆われていく。 周囲にぼんやりと赤黒い何かが見える。 泣いている。呻いている。蠢いている。 ディスの心臓によって集められた異世界の負の情念。そのエネルギーで傷を修復している。 それはもはや神と呼ぶよりは悪魔と言った方がふさわしい。 「ヒトは――――抗わねばならないのだ!!」 ゼストが腕を振り上げ、翼を広げた。 それだけで烈風の如き衝撃波が空間を叩く。 「回れ……!インフィニティシリンダー!」 胸のカラータイマーから、物理法則を無視してマサキも見知った黒い機体の上半身が、ずるりと這い出るように姿を現す。 さらにその機体の胸部が展開し、そして黒い光が生まれた。 それはユーゼスを包むようにして、そして無視できぬ圧倒的な存在感を放って、どんどん巨大化していく。 ――おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお……… 地獄のそこから響く声のような音。 いや、あれは地獄の亡者の声そのものだ。 恨み、憎み、妬み、悲しみ、その果てに因果律に選ばれなかった亡者たちの声。 その声が大きくなるのに比例してゼストを包む光もその大きさを増していく。 「諦めることは許されない!止まることは許されない!何も残らなかったならば、そこからはもう失いようもあるまい!」 「…………ッ!!」 ネオグランゾンの攻撃が放たれた。 ブラックホールクラスター。 天も地も、ヒトもモノも、光すらも飲み込む圧倒的な重力砲がゼストへと襲い掛かる。 「無駄だ」 激突。 二つの黒い太陽がぶつかり合い、その境界で生じる漆黒の稲光が爆ぜた。 振動。 その衝撃は空間すら容易く歪ませ、白い世界の揺らぎが一際大きくなる。 消失。 臨界点を越えて爆裂する黒い太陽。 だが消えたのは一つだけだった。 その身の半ば以上を漆黒に染めた超神は、巨大なもう一つの黒陽とともに変わらず、傲然とただ存在していた。 「馬鹿な……!」 「この程度ではこの力は破れん。このままこれを放てばどうなるか、想像はつくな……?」 「貴様………!」 「さあ、どうする木原マサキ。逃げ場は無いぞ。諦めてこのまま消滅するか。 私にいいように操られ、その命すら奪われ因果地平の彼方に消えるだけか。 ――――どうするのだ、木原マサキ……!」 ――戦え。 ――運命に反逆しろ。 ――絶望に抗い続けろ。 「――――舐ぁめるなぁぁああああぁぁぁぁああぁぁあああああ!!!!」 怒りの咆哮。 そしてネオグランゾンの胸部装甲が開放された。 そこからあふれ出す極白の光はワームスマッシャーでもグラビトロンカノンでもなく、もちろんブラックホールクラスターでもない。 太陽の数百倍を越える巨大な恒星、その重力崩壊に匹敵するエネルギーを生む原理で生じる力をそのまま叩き込む。 その名は縮退砲。 「そうだ……それでいいのだ!」 ゼストを包む黒い太陽はすでに周囲の空間を歪ませ、重力崩壊寸前となっている。 それほどのエネルギーと質量があの中に込められているのだ。 恒星はその一生を終える際、銀河の果てにすらその光が届くほどの爆発を起こして消滅する。 あまりに巨大であまりに膨大なエネルギーは、そのものの存在をそのままとどめておくことすら許されない。 開放されたときには、まさに全てが吹き飛ぶ。 だがそれは新たな星を生み、そして新たな宇宙の一つが誕生する礎となるのだ。 これこそが超新星爆発。 ゼストとなったユーゼスは全てを失い、そしてだからこそ新しく全てを手に入れる。 全ての運命と因果律への復讐を果たす。 そして今、二つの超新星が激突する! 「行け……!古き因果に滅びを!新たなる始まりを!これが――――コスモノヴァ!!!!」 「縮退砲――――――――消えろぉぉおおぉぉおおぉぉおおぉおおおお!!!!」 ファイナルバトルロワイアル(2)
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/4200.html
14人のバトルロワイアルー因縁の再会ー 本編 登場人物 ネタバレ 死亡者リスト ルール
https://w.atwiki.jp/kakite3/pages/173.html
格さんの日本刀 出典:水戸黄門 初雪に支給。 ご存じ水戸黄門の腹心、格さんの愛刀。たぶん、普通の日本刀である。 バタフライナイフ 出典:現実 甲賀騎兵ひぐらしに支給。 折りたたみ式の携帯ナイフ。 キメラの翼 出典:ドラゴンクエストシリーズ Prince of Killerに支給。 一度行ったことがある場所まで、空を飛んで移動できるアイテム。 小規模イデ 出典:kskロワ KYMに支給。 カヲル君の最終兵器。 激しい感情の高ぶりによって発動し、半径100m以内の参加者を同じエリアのどこかに飛ばしてしまう。 ワルサーPPK 変態紳士に支給。 ドイツのカール・ワルサー社が開発した小型セミオートマチック拳銃。 拡声器 出典:現実 かえるの人に支給。 ご存じ、パロロワの死亡フラグ。これはオールロワで鈴木万吉に支給された物。 鉄化の種 出典:不思議のダンジョンシリーズ かえるの人に支給。 飲むと体が一定時間鋼鉄になり、どんな攻撃も受け付けなくなる。 ……はずなのだが、その状態の相手を粉々にした閣下、すごすぎです。 テラカオス 出典:カオスロワ 凶兆の猫鍋に支給。 カオスロワ5期、6期のラスボスの欠片。この欠片自体に意志はなく、死者の魂が封じられているだけである。 ピンキーキャッチュ 出典:Yes! プリキュア5 夜明けのイエローか遊撃のハートシーカーのいずれかに支給。 プリキュアへの変身アイテム。
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/2782.html
吐き気がする……頭が痛い……ひどく、ひどく気分が悪い。 また飲み過ぎてしまったのだろうか。いや、違う。今まで何度も経験してきた二日酔いの苦痛とは異質な感覚。 固いアスファルトの地面にうつ伏せに倒れていた男は、やおら体を起こし、重い瞼を持ち上げて辺りを見渡す。 無機質で巨大な建造物めいた物が見えたが、それが何なのかは皆目見当がつかない。 真っ暗闇に加え、古臭いサングラスをかけた状態では、それも仕方がないのだろう。 やむを得ず愛用しているサングラスを外し、生気のない瞳で再び周りを見通す。こんな場所、知りもしないが、今度は見当がついた。 疑問符を浮かべながら立ち上がる。 「遊園地……だな」 巨大な建造物はジェットコースターだった。老朽化が進んでおり、見るからに危なっかしい。 「なんで俺こんなところにいるんだよぉ」 情けない声を上げつつ懐をまさぐる。煙草を取り出そうとするが、どうやら切らしてしまったらしい。 軽く溜息を吐く。ここがどこの遊園地で、何故自分がここにいるのか、男にはそれが分からない。 また妙なトラブルに巻き込まれてしまったのだろうか。そういえば、首に何か得体のしれない首輪がついている。 いつの間に着けられたのだろう……。 「なんだよこれ……頭は痛いし独りぼっちだし……最近こんなんばっかだしよお……」 何の罰ゲームだよこれ……。男の愚痴は止まらない。 本人の言うとおり、この男の人生はある時を境に大きく変わってしまったのである。 どんな風に変わってしまったかと言うと、そう、こんなんばっかりなのである。 それ故に一度言い始めた愚痴は、普段なら止まることなく加速し続けていくのだが、今回は例外だったようだ。 「ああ、もしもし……?お宅、長谷川泰三さん?」 「ん……? うわッ!?」 長谷川泰三ことマダオは背後にいつの間にか立っていた異形に驚愕の声を漏らす。 「こんな真夜中に背後からい、いきなり話しかける奴がいるか! な、なんだあんたは天人か!?天人だな!?」 「天人じゃないですよ。よく見て下さい」 そう言うと、マダオに背中を見せる。ファスナーがついていた。どうやら着ぐるみのようである。 「中の人なんていませんがね……ふふふ」 「…………」 「あっ違った……中の人なんていないけどね♪ねっ!?長谷川さん! ……ふふふ、どうです? 例の有名なネズミキャラみたいでカワイイでしょう」 不気味に微笑む着ぐるみ男。そう言えばよくよく見てみるとあの有名なネズミキャラに似ている。 いや、これは明らかに似ている、ではなく、著作権違反のレベルだ。 そしてこのハムスターもまた、首輪を着けられていた。いったい、この首輪は何なんだろうか。 「ちなみに私の名前はハムスターマウス!ようこそ長谷川さん!夢の国、ハムスターランドへ!!」 マダオの目の前でひらひらと飛びまわりパフォーマンスしてみせるハムスターマウス。 愛想を振りまくハムスターマウスとは対照的に、マダオの目はひどく乾いていた。 「…………もう帰っていい?」 「……何言ってるんですかマダオさん。お楽しみはこれからですよ」 「いや、もういいから……今マダオって言ったけど許してあげるから。もう帰るわ」 そそくさと振り返りハムスターマウスから離れていくマダオ。そうはさせじとハムスターマウスが彼の手を引っ張る。 「夢の国へようこそマダオさん♪ここに来ればどんな貧乏臭いおっさんでもお姫様とハッピーライフ♪ リストラで沈んだ心も強引にリフレッシュ♪明日からまた無意味に頑張れる気力が噴き出してくること間違いなし♪」 「うるせェェェェェ!! お前励ましてるのか古傷抉ってんのかはっきりしろォォォォ!!」 「古傷ってか現在絶賛進行中の病みたいなもんでしょ長谷川さんの場合」 「うるせえええええええ!古傷なんだよ!現在進行形なんて誰が認めるかあああああああ!」 「現実から目を離すなよ。だからマダオって言われるんだよ。汚っさんが」 しばらくの間、言い争いながら引っ張り合う二人だったが、つかれたのだろうか。 それもやがて終わった。 「はあはあ……ていうかハムスターマウス、あんた後半は確実に俺の心を砕きにかかりに来てたよね」 マダオが情けない声で言ったが、ハムスターマウスは飄々とした様子でそれを無視。 「……なんなの? 俺をどうしたいわけなの?」 初めからこれを聞きたかったのだが、どうやら知らず知らずのうちに回り道をしてしまったようだ。 マダオの諦めた顔を見て、ハムスターマウスはうんうんと満足そうに頷く。 腕時計を眺めるハムスターマウス。やはり何かに巻き込まれたらしい。 連中もやっぱりいるのかなあ……。マダオは頭の隅で件の三人組を思い浮かべる。 「そろそろですね……カウントダウンいきますよマダオさん」 まあ、自分は特に何もしないでも、なんだかんだで今回もあの万屋がなんとかしてくれるだろう。 全く、銀さんと出会った事が俺の運のつきだよなあ……ホント ハムスターマウスをどうでもよさそうに眺めつつ、マダオは銀時の事を思い浮かべる。 「スリー・ツー・ワン…………」 ハムスターマウスが体を出来るだけ小さく屈め、次の瞬間、思い切りジャンプした。 ジャンプと同時に遊園地の各地に設置されてある照明が一斉に輝き出した。 どうでもよさそうな態度をとっていたマダオもこれには焦った。遠くの空では花火が打ち上げられている。 「バトルロワイアル開幕ぅぅぅぅ!!! やったね!!!」 とび跳ねまわるハムスターマウス。呆然とするマダオ。バトルロワイアルって……何? 「それではルール説明に入ります。説明が終わった後は、一人で行動して貰うからねッ!」 くるくるくる、と舌を回し、まるで歌うかのようにバトルロワイアルのルールを説明していくハムスターマウス。 短時間に一気にやってきた衝撃に、マダオの脳は揺さぶられていたが、それでもなんとか説明を一言一句残さず聞き取る事が出来た。 その恐るべきルール。聞きとれたいいが、脳が理解しようとはしない。 ※バトルロワイアル 参加者は20名。最後の一人になるまで殺し合いをしてもらう。殺す手段は問わない。『何でもあり』である。 最後の一人、つまり優勝者には、このハムスターランドから生きて帰る権利が与えられる。 その他にも、優勝者には莫大な賞金、そして栄光に見合うだけの粗品がプレゼントされるので楽しみにして頂きたい。 ハムスターランドの外周には高圧電流を流したフェンスが隙なく張り巡らされているので、脱出する事は不可能である。 参加者がゲーム進行に当たって何らかの不都合な行動をとった場合、それなりの対応を取らせてもらう。 無理やり首輪を外そうとすると、爆発するので注意する事。 3時間毎に死亡者などを告げる放送を流す。また、6時間誰も死なない状況が続いた場合、全員の首輪を爆破する。 ハムスターランドには様々な仕掛けがあるので、頭を捻って活用してほしい。 ハムスターマウスは上記のルールをぺらぺらと告げると、最後に薄いルールブックを手渡した。 「あんまりルールがあってもつまらないから薄めだよ」 だ、そうである。マダオはわなわなと震える手で冊子を受け取る。 ハムスターマウスは続いてどこから取り出したのか、デイパックを投げ渡す。 「中にはパン三つ、水2㍑ペットボトル一本、懐中電灯、地図、参加者名簿、携帯電話、ランダム支給品が1個か2個入ってるよ。 ランダム支給品ってのはその名の通りランダム。うまく武器が入ってるといいね。あと、携帯電話は後々重要になって来るから手放さないでね」 マダオはデイパックを覗き、携帯電話を取り出す。 「外部とは連絡がとれなくしてあるから。安心してゲームを楽しんでね。無粋な横槍が入る事など、決してない」 ハムスターマウスは低く唸る。マダオはそれの顔、と言っても着ぐるみだが、を凝視した。 今までは暗闇の中、コミカルな動きに惑わされ、気づかなかったのだろう。 ハムスターマウスの顔は、有名なネズミキャラとは似ても似つかない、獰猛にして凶悪な顔つきだった。 大きく見開かれた両目は赤く血ばしり猛禽類のように鋭い、深く深く裂けた口から覗く犬歯は恐ろしく尖っている。 マダオはハムスターマウスの顔を見て青ざめ、すぐに目を離した。 「さて、最後に今回だけの特別ルールを説明するよ!マダオ君!地図を開いてくれるかな!」 言われたとおりにマダオは慌てた手つきで地図を取り出す。 「新ルール『海賊船長の宝箱』!!!ヒャッホー!!!」 とび跳ねるハムスターマウス。醜悪な顔が露見された今、その姿を見てもコミカルだとは全く思えない。 「地図に宝箱が記されているよね?その場所には、実際に宝箱があるんだ。 このゲームを勝利するにあたって、とってもとぉ~~っても便利なアイテムがその宝箱には入ってる。ただし!」 ハムスターマウスがマダオの前でぴっ、と指を立てて左右に振る。 「宝箱を見つけ出せば、いつでも宝物がゲット出来るとは限らないよ。さっきも言ったけど、『海賊船長の』宝箱だからね? 船長の隙を突かなくちゃ宝箱は開かないんだ!さてマダオ君!なんかさっきから黙ってるけど、どうやって『隙を突く』か分かるかい?」 急に話を振られ、マダオはびくりと体を震わせた。 「あ、あ~~いや、………………さあ」 分からないものはわからない。マダオは頭を掻きながら口を開いた。 ハムスターマウスはその言葉を聞き、しばらくの間、黙ったままマダオを睨みつけた。 恐ろしい着ぐるみは少しずつマダオの精神力を削いでいく。マダオの額に冷や汗が滲み始めた頃、ハムスターマウスは漸く口を開いた。 「だ・よ・ねぇ~。分かるわけないよね。だから僕達、ゲーム運営者が携帯にメールを入れるよ。 船長が宝箱から目を離す一時間前に、油断し始める時刻を記したメールを送る。だから携帯は頻繁に見る様にしてね♪ と・に・か・く!携帯は重要なんだからね!精一杯頭を捻って活用してね!!」 こくこくと頷くマダオ。ハムスターマウスはそれを見て、なんとなく満足したようだった。 「さあ、それじゃあ最後の説明!首輪についてだよ!マダオ君、そんな安っぽい首輪なんかで本当に人が死ぬと思う?」 「…………し、知るわけないだろ」 マダオの声は裏返っていた。ハムスターマウスは、また飛び跳ね、マダオに向かって深く一礼する。 「そうだよね。当然だ。じゃあ最後に、この首輪の威力を君に教えてあげるよ」 くるりとジャンプするハムスターマウス。なんとなく、なんとなくだが、マダオは本能的に嫌な気配を嗅ぎ取った。 「いい?この『合図』が鳴ったら、ゲームは開始されるよ。マダオ、君はこのゲームで様々な人に出会うだろう。 他の参加者や、ハムスターランドの楽しい住民達。全ての出会いを無駄にせず、全ての事をよく考えて活用し、優勝して欲しい。 優勝してくれたら、君の説明役を務めた僕も鼻が高いってもんだ!」 ハムスターマウスがマダオに頭を下げたまま、背後に後退していく。マダオは黙ってそれを見つめる。 唐突に、ハムスターマウスから、ピッ、ピッ、という電子音が聞こえてきた。 ハムスターマウスの首輪が爆発への秒読みを開始したようだ。 「使い切るんだ、全ての材料を!生き残るんだ、何としても!負けたら死、死なんだ! 勝たなきゃ、ここで勝たなきゃどこで勝つ!?君の優勝を、僕は祈っているよ! Good Luck!!」 謎のテーマパーク、ハムスターランド。深夜零時ジャスト、ハムスターランドに20の爆音が響き渡った。 マダオの足元で、死亡したハムスターマウスの凶悪な頭部がごろりと転がる。 説明役を務めた20のハムスター達が散るのと同時に、惨劇の幕が今────開かれた。 ────バトルロワイアルの開幕である。
https://w.atwiki.jp/allrowa/pages/31.html
第2話目に一番遠い男 ◆ykGSMmp98o 「死にたくないでござる! 死にたくないでござる! 死にたくないでござる!」 短身痩躯の青年と呼ばれるには歳を取りすぎている男、緋村剣心は全力で叫び続けていた。 「絶対に死にたくないでござる! 絶対に死にたくないでござる! 絶対に死にたくないでござる!」 それもそのはず、彼はとあるロワで既に二回死んでいる。 分岐制が取り入れられているはずのそのロワで、今の所、本ルート含めた全ルートで彼は殺されていたのだ。 「拙者は只、登場話以降に進みたいだけでござる!」 彼の願いは無事に帰ってみんなの下へ帰りたい。人を殺めたくない。守れるものは守り抜いてみせる。 ではなかった。ただ生きたい。生きてロワから脱出したいではない。生きて第二話という未知の世界へ進みたい。 それだけであった。 そんな悲しい目標を掲げている剣心の元へ、ある男が現れる。 「何者でござるかッ!」 「ん? 俺のことか?」 「そうでござる! 拙者を殺しにきたのなら、拙者は全力で逃げさせてもらう!!」 「あいたー、俺が殺したりするわけなかバイ」 「なら、お主は何者でござるか?」 「俺は……天使だ!」 「……天使でござるか」 天使を名乗る謎の男……服装の上から下、ネクタイまで全て黒と、とても天使とは思えない風貌とひょうきんな話し方 これを天使と信じろというのだろうか? 「お前、信じてないだろ」 「……いや、そんなことはないでござる」 「いいや、お前は信じてないね。俺は天使だから目でわかる」 「そ、そうでござるか?」 どうにも相手のペースに巻き込まれている気がするが、下手に刺激して死にたくない剣心は天使を名乗る男に合わせることにしていた。 「それで、天使殿……名前はないでござるか?」 「おお、忘れてたバイな 俺の名前は……えぇっと……!……天童世死見バイ!」 「そうでござるか……」 基本的な挨拶を交わして緋村剣心は安堵していた。この相手なら自分の死亡はないと 「あああああああああ!」 「何、何?どうしたでござる?」 「カッー! 忘れてたバイ! 神様からの命題がお前さん、緋村剣心に下っているのを」 「命題?」 背筋を伸ばし、少し咳払いをし、天童がポケットから紙切れを取り出す。 「いいか、よく聞けよ!」 どこからかくる妙なプレッシャーに剣心もおのずと耳を研ぎ澄ます。 「そこの武士、緋村剣心! お前に下された命題は…… 2008年10月6日0時10分までに就職できなかったら即死亡ッッ!!!!!」 「なん……だと……いや、なんということでござる」 こんな見知らぬ男の言うことはでまかせでござる!と思いたいが、思えない。 名乗ってもいない名前を知っていた……それだけでも何か異常な人物な気もするが 一番に納得できる理由は……一話で死ねる内容ということ。 変な生き物に殺されて、変な能力使いに殺されて、次は天使を名乗るオッサンに……無意識のうちに体中が震えてくる。 「死にたくないでござる! 死にたくないでござる! 死にたくないでござる!」 「諦めるなぁー!!」 「命題だと言っただろ! お前が0時10分までに就職すればよかバイ!!」 「……わかったでござる。今は何時でござるか?」 「……0時8分」 「ああああああああああ……もう駄目でござる」 「諦めるな!就職すればいいだけだ!」 「そもそも、就職の意味が分からないでござるぅぅ」 「定職について働けということバイ」 「……働く……無理でござるぅぅ」 泣きくずれる剣心を横目に、天童がデイバックから地図を取り出す。 「見ろ! 神様ができない指令を出すわけないバイ! ハロワと呼ばれる職業を斡旋してくれる施設が島内にあるバイ」 「ぅぅ……本当でござるか?」 一話で死ぬわけにはいかない剣心、少しの希望も諦めるわけにはいかない! 「ああ、急げ! 時間がもうないぞ」 「どっちに向かえばいいでござるか!!」 「……南東に3キロほどだ!」 「わかったでござる!……それはどれぐらい時間のかかる距離でござるか?」 「………あと30秒」 「なんで答えないでござるか!!」 今まで、まともに働いてきたことがないがここは……全力でッッ!! 「働きたいでござる! 働きたいでござる! 働きたいでござる!」 ―――――――叫ぶ! 「……あと5秒」 「働きたいでござる! 働きたいでござる! 働きたいでござる!」 「……4」 「働きたいでござる! 働きたいでござる! 働きたいでござる!」 「……3」 「働きたいでござる! 働きたいでござる! 働きたいでござる!」 「……2」 「働きたいでござる! 一話突破したいでござる! 働きたいでござる!」 「……1」 「一話突破したいでござる! 一話突破したいでござる! 一話突破したいでござる!」 「……0」 「……んっ拙者生きている??」 「いや、もう死んでるわよ」 その声と同時に緋村剣心の首は地面へと転がっていた。 その首からは小さな呟きが…… 「また、お 主 で ご ざ る か……」 優男の剣士、緋村剣心が最後に見た光景は、いつの間にか消えている天童の残した指令状と 田村令子という名の寄生獣だけであった。 【緋村剣心@多ジャンルバトルロワイアル 死亡確認】 【D-3/森の中/深夜(0 11)】 【田村令子@寄生獣】 【状態】健康 【装備】 【持ち物】支給品一式、確認済み支給品3つ 【思考】 1 本能に逆らうつもりはない、つまり人は食べる 2 しかし、むやみに殺して周るつもりはない 3 剣心は殺さないといけない気がしたので殺した 【D-3/森の外れ/深夜(0 11)】 【天童世死見@天国に一番近い男】 【状態】健康 【装備】 【持ち物】支給品一式、確認済み支給品2つ 【思考】 1 神様からの指令を受け取る 時系列順で読む Back 黄金の瞳 Next ヘタレないとイイナ 投下順で読む Back 黄金の瞳 Next ヘタレないとイイナ GAME START 緋村剣心 GAME OVER GAME START 田村令子 かえるが空を飛んだ日 GAME START 天童世死見 無題(070)
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/2901.html
【参加者】 【非リレー書き手】9/9 ○◆6LQfwU/9.M/○◆VxAx.uhVsM/○◆ymCx/l3enu/ ○◆YR7i2glCpA/○◆xzYb/YHTdl/○◆8nn53GQqty/ ○◆sWPde7Q8zk/○◆WYGpiuknm2/○◆meUMrrZs9o 【Fate/Zero】8/8 ○衛宮切嗣/○ウェイバー・ベルベット/○イスカンダル/○ディルムッド・オディナ/○サー・ランスロット/ ○久宇舞弥/○言峰綺礼/○雨生龍之介 【リトルバスターズ!】8/8 ○直枝理樹/○棗鈴/○井ノ原真人/○三枝葉留佳/○二木佳奈多/○朱鷺戸沙耶/○神北小毬/○来ヶ谷唯湖 【Fate/stay night】8/8 ○衛宮士郎/○遠坂凛/○間桐慎二/○セイバー/○アーチャー/○ランサー/○バーサーカー/○アサシン 【とある魔術の禁書目録】11/11 ○上条当麻/○ステイル=マグヌス/○土御門元春/○ヴェント/○フィアンマ/○一方通行/○麦野沈利/○黒夜海鳥/○垣根帝督/○絹旗最愛/○心理定規 【ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】5/5 ○苗木誠/○霧切響子/○十神白夜/○大神さくら/○不二咲千尋 【戯言シリーズ】8/8 ○いーちゃん/○玖渚友/○哀川潤/○零崎人識/○匂宮出夢/○紫木一姫/○西条玉藻/○闇口崩子 【オリキャラ】4/4 ○狩崎教示/○阿見子弘之/○天王寺深雪/○クレリエル 【STEINS;GATE】6/6 ○岡部倫太郎/○牧瀬紅莉栖/○橋田至/○阿万音鈴羽/○桐生萌郁/○天王寺裕吾 【非リレー型バトルロワイアル・リピーター】7/7 ○相川友/○青木百合/○新藤真紀/○小神さくら/○矢部翼/○紆余曲折/○勇気凛々 【未来日記】5/5 ○天野雪輝/○我妻由乃/○雨流みねね/○戦場マルコ/○美神愛 【ドラえもん】2/2 ○ドラえもん/○野比のび太 【銀魂】4/4 ○坂田銀時/○志村新八/○土方十四郎/○沖田総吾 【バトル・ロワイアル】4/4 ○七原秋也/○川田章吾/○桐山和雄/○滝口優一郎 【DEATH NOTE】4/4 ○夜神月/○弥海沙/○L/○松田桃太 【魔法少女まどか☆マギカ】4/4 ○鹿目まどか/○暁美ほむら/○美樹さやか/○巴マミ 【めだかボックス】4/4 ○黒神めだか/○球磨川禊/○人吉善吉/○日之影空洞 【おおかみかくし】3/3 ○九澄博士/○摘花五十鈴/○櫛名田眠 【ロウきゅーぶ!】3/3 ○湊智花/○三沢真帆/○長谷川昴 【CLANNAD】4/4 ○岡崎朋也/○藤林杏/○伊吹風子/○春原陽平 【ひぐらしのなく頃に】3/3 ○前原圭一/○園崎詩音/○古手梨花 【AIR】3/3 ○国崎往人/○神尾観鈴/○神尾晴子 【Rozen Maiden】2/2 ○水銀燈/○翠星石 【屍鬼】2/2 ○尾崎敏夫/○室野静信 【これはゾンビですか?】3/3 ○相川歩/○セラフィム/○京子 【BLOODY MONDAY】3/3 ○高木藤丸/○神崎潤/○折原マヤ 【探偵オペラ ミルキィホームズ】2/2 ○シャーロック・シェリンフォード/○明智小衣 【空の境界】2/2 ○両儀式/○黒桐幹也 【金色のガッシュ!】2/2 ○ガッシュ・ベル/○高嶺清麿 【デュラララ!!】2/2 ○平和島静雄/○セルティ・ストゥルルソン 【夏めろ】2/2 ○高村橘花/○深町つぐみ 【化物語】2/2 ○阿良々木暦/○戦場ヶ原ひたぎ 【Angel Beats!】3/3 ○仲村ゆり/○立華奏/○音無結弦 【戦国BASARA】2/2 ○伊達政宗/○織田信長 【学校であった怖い話】1/1 ○日野貞夫 【緋弾のアリア】1/1 ○ヒルダ 【カイジシリーズ】1/1 ○伊藤カイジ 148/148 【主催者】 ○ベルンカステル@うみねこのなく頃に ○古戸ヱリカ@うみねこのなく頃に ○リューク@DEATH NOTE ○棗恭介@リトルバスターズ! ○???@??? ○???@??? 現在時点の名簿ですが、まだ微調整をするかもしれません